スペインワインのこと。ポルトガルワインのこと。
歴史
古代ギリシャ人やフェニキア人が、現在のカディスに到達。へレス周辺や地中海沿岸地域でワインを造り始めた。
ローマ帝国がイベリア半島を征服し、古代ローマ人がスペインの地でワイン造りを開始。
イスラム教徒ムーア人がイベリア半島侵入、ブドウ畑が破壊される。
レコンキスタ(国土回復運動)により、ワイン生産が再開し始める。
レオン王国とアラゴン王国が統一。
ムーア人をスペインから追放。レコンキスタ終了。ワイン生産増加。クリストファー・コロンブスが、ワイン産地D.O. コンダード・デ・ウエルバの港町、パロスからインド(インディア)を目指し出航した。
大航海時代。ワイン生産も全国で盛んに。
英国商人によりシェリー生産生産体制が整備される。
フィロキセラ被害を受けたフランス・ボルドー地方の生産者達が、彼らの醸造方法を持ち込みリオハでワイン生産を始める。
初めてのカバ生産、誕生。
リオハ原産地呼称統制委員会設立。
ワイン法(Estatuto del vino)制定(フランスのAOC法制定より早い。後者1935年)。
ワイン法発効。
旺盛なワイン需要を満たすため、大量供給が可能な協同組合が各地で作られた。育てやすく大量の実をつける品種が好まれた。
INDO(原産地呼称超、後に品質呼称局と改名)が設立。
独裁フランコ政権が終わり鎖国状態から抜け出す。ワイン産業は量から質へと転換。
EC(現在のEU)加盟。ECワイン法の適用。ワインの国際化が進む。
リオハが初のD.O.C.aに認定される。
プリオラートがD.O.C.aに認定される。
原産地呼称制度・品質分類
スペインワインは、2009年のEUワイン法改定に伴い、以下のように品質分類されている。
主なブドウ品種
黒ブドウ
ブドウ名/主な産地/特徴
リオハ、リベラ・デル・デュエロ、ナバーラ、ラ・マンチャ
スペインを代表する高貴品種。タンニン、酸度高く長期熟成に耐えられる。
バレンシア、ウティエル・レケーナ
起源は中世までさかのぼる。豊富な量の実をつけ濃厚な色。
ナバーラ、プリオラート、アラゴン地方
アラゴン地方原産。糖度高い。
アリカンテ、フミーリャ、イェクラ
果皮が厚く、果肉はしっかりしている。
ビエルソ、バルデオラス
タンニンや酸は少ないが、フレッシュさをが引き立つ。
トロ、サマラ
テンプラニーリョの別名。
カタルーニャ、ペネデス、アラゴン地方
ガルナッチャ・ティンタとブレンドされることが多い。
ティエラ・デ・レオン
強さを感じるも、柔らかいタンニンが特徴。
カナリア諸島
赤のパロミノバージョン。酒精強化ワインに使用される。
リオハ、ナバーラ
リオハ、ナバーラの補助品種
白ブドウ
ブドウ名/主な産地/特徴
ラ・マンチャ
面積スペイン最大
カタルーニャ地方、アラゴン地方、リオハ
カバに使用される。リオハ白。フレッシュで軽め。酸度やや高い。
へレス、コンダード・デ・ウエルバ
シェリーの主要品種。
ルエダ、ラ・マンチャ
フレッシュでフルーティー
マラガ、バレンシア
マラガでは酒精強化ワインに使用される。
モンティーリャ・モリレス、マラガ
糖度が高い。収穫後日干しより凝縮させる。
ペネデス、カバ、カタルーニャ
カバの主要品種。単一白ワインで造られることもある。
ペネデス、カバ、カタルーニャ
カバの3大品種の一つ。単一白ワインはボディがしっかりしている。
リアス・バイジャス
香り高く、酸味も豊富。
バルデオラス、ビエルソ
ミネラルのある複雑な味わい。
アラゴン地方、ナバーラ
熟成ワインの分類
樽の容量上限は330ℓ。
CAVAカバ
樽の容量上限は330ℓ。
産地
カタルーニャ州、リオハ州、アラゴン州、バレンシア州、エクストレ・マデイラ州などで生産されており、一地域に限定されている他のD.O.やD.O.Ca.とは分類が異なる。しかし、カバ生産量の約95%はペネデスを中心とするカタルーニャ州が占めている。その内、サン・サドゥルニ・ダ・ノイアSant Sadurní d’Anoiaが約80%。
品種
マカベオMacaboe=ビウラViura、チャレッロXarello、パレリャーダParelladaの3種が主要品種とされている。他にマルバシア、シャルドネ、モナストレル、ガルナッチャ、トレパット、ピノ・ノワール(近年カバ使用認定された)など使用も認められている。
製法
瓶内2次発酵(トラディショナル方式)。瓶詰めから澱抜きまで最低9ヶ月、カバ・レゼルバは15ヶ月以上の貯蔵熟成が義務付けられている。また、カバ・グラン・レゼルバは、30ヶ月以上熟成でボトル替えしていないものに限る。更にブルット・ナトゥーレ、エクストラ・ブルット、ブルットのタイプのみレゼルバ、グラン・レゼルバの表示が許される。グラン・レゼルアに関しては収穫年表示義務がある。
カバのタイプ、味わい、1ℓあたりの補糖量
スペインの酒精強化ワイン
スペイン南部アンダルシア地方やアリカンテ一部マリナ・アルタ地域で造られている。
産地と特長
ソレラシステムにて、パロミノ品種主体により、フィノ、アモンテリャード、オルロソに分けられます。
サンルカール・デ・バラメーダのみで熟成が許されるフィノタイプと同等の造り。
上記D.O.へレスと同じソレラシステムで熟成される。ただパロミノ種に加え、土着品種ガリード・フィノをブレンドする。
ペドロ・ヒメネスを使用。高い糖度で摘まれ、酒精強化をせずにソレラシステムでへレスタイプのワインが造られる。
ペドロ・ヒメネスを主体にした酒精強化ワインや、モスカテルを日干しして造るデザートワインがある。
モスカテルで造られる酒精強化の甘口ワインがマリナ・アルタ地域で造られている。
ソレラシステム
①発酵が終わると酒精強化された新酒は、クリアデラというセラーへ運ばれる。
②セラーには熟成用の樽が3段、あるいは4段に積み上げれており、新酒は最上段の樽に貯蔵される。
③その樽の一部が、2段目に移され、2段目の樽から一部が、3段目へというように同じことが繰り返される。
④最下段のソレラからは1/3の量が取り出されタンクに移される。
⑤均等にブレンドされ、瓶詰めされる。
歴史
フェニキア人、カルタゴ人によってワイン文化が伝えられた。
イスラム教徒の支配によろワイン造り停滞。
ポルトガル王国設立。ワイン文化が盛んになる。
日本へワインを伝える
ポートワイン誕生
マデイラワイン誕生
セバスティアン・ジョゼ・デ・カルヴァーニョ首相により、ポートワイン生産用のブドウ畑が認定された。
パリ万博にてダンDãoワインが金賞受賞。
独裁政治によるワイン輸出が一部ワインを除き低迷。
「カーネーション革命」にて独裁政治終焉。
EC(現在のEU)に加盟。それに伴い、ワイン品質分類規制も他欧州ワイン原産国に同様に。
ポルトガルワイン品質分類改訂。
品質分類
2008年に品質分類され、以下のように分けられる。
ワイン生産地
1.ブセラス Bucelas2.コラレス Colares3.セトゥーバル etúbal4.カルカヴェロス Carcavelos5.アレンケール Alenquer6.トーレス・ヴェドラス orres edras7.アルーダ Arruda8.オビドス Óbidos9.ロウリニャン Lourinhã10.テージョ ejo11.エンコスタス・デ・アイレ Encostas de Aire12.バイラーダ Bairrada13.ラフォインス Lafões14.ヴィーニョ・ヴェルデ inho erde15.トラズ・オス・モンテス rás-os-Montes16.ポルト Porto ドウロ Douro17.タヴォラ・ヴァローザ ávora-arosa18.ダン Dão19.ベエラ・インテルオール Beira Interior20.アレンテージョ Alentejo21.パルメラ Palmela 22.ラゴス Lagos23.ポルティマン Portimão24.ラゴア Lagoa25.タヴィラ avira26.マデイラ Madeira マデイレンス Madeirense27.グラシオーザ Graciosa28.ビスコイトス Biscoitos29.ピコ Pico
主なブドウ品種
黒ブドウ
ブドウ名/主な産地/特徴
ドウロ等北部、ダン、テージョ、アレンテージョ、アルガルべ
ポルトガル全域で栽培。厚い果皮で、タンニン豊富。素晴らしい構造で長期熟成可能。
ドウロ中心
トゥーリガ・ナシオナル、ティンタ・ロリスとのブレンドされる。滑らかで柔らかいタンニンが特徴。
ドウロ、ダン
アラゴネス/Aragonezとも言う。スペインのテンプラニーリョ。
ダン
アルコール、酸、タンニンのバランスが良い。
ダン
病害に強い。
ドウロ
ポートワインに使用される。ポートワイン公式推奨5品種の中の一つ。
ダン、ドウロ
濃く厚い果皮・豊富なタンニン。熟成が遅く、生産量は少ない。
ヴィーニョ・ヴェルデ
ヴィーニョ・ヴェルデ
ヴィーニョ・ヴェルデ
白ブドウ
ブドウ名/主な産地/特徴
ヴィーニョ・ヴェルデ
伝統的にはアルヴァリーニョやトラハドゥーラとブレンドされるが、最近では単一使用も目立つ。
ヴィーニョ・ヴェルデ
生産量は低く、粒は小さい。芳香で力強い。
各産地
快活な酸が特徴。
ヴィーニョ・ヴェルデ
低い酸度に高いアルコール度のワインとなる。
マデイラ、アソーレス
酒精強化ワインに使用される。
ドウロ、ダン、ベイラ・インテルオールや北部
スパークリングワインに使われることもある。
ダン
糖度と酸度のバランスが良い。
バイラーダ、ダン
フレッシュ、柔らかく、アロマティック。
各産地
最も栽培されている品種。アロマティックさを与える。
各産地
最も栽培されている品種。アロマティックさを与える。
アレンテージョ、ベイラ・インテルオール
房、粒ともに小さい。早飲み(若い)ワインとなる。
マデイラ
粒が小さい。ミネラル、ほど良い酸としっかりしたストラクチャーが特徴のワインとなる。
ポルトガルの酒精強化ワイン
ポートワイン
ドウロ河上流で栽培されたブドウを原料としたワインで、まだ糖分が残っている発酵途中にアルコール度数77%ブランデーを添加し、 酵母働きを止めるが特徴。ポートワインアルコール度数19度~22度と規定されている。D.O.C.ポルトポートワイン大きく3つに分類することができる: hite/ホワイト、awny/トウニ-、uby/ルビー ホワイト・ポートみ白ブドウが原料。後者二つ黒ブドウから造られる。
ポートワインの分類
ルビー・ポートワイン
鮮やかなルビー色ポートワイン○ヴィンテージ・ポート: 優れたヴィンテージブドウで造られる。単一年)
○レイト・ボトルド・ヴィンテージ・ポート: それに次ぐ優れたヴィンテージブドウで造られる。単一年。ヴィンテージ・ポートより瓶詰めが遅い)○レゼルバ・ルビー: リーズナブルな価格帯で飲めるルビースタイルポートワイン)
トウニ-・ポートワイン
トウニ-(褐色)ポートワイン酸化熟成されるため褐色となる。○トウニ-: 複数年に渡るヴィンテージブドウをブレンド。○トウニ-・レゼルバ: 複数年に渡るヴィンテージブドウをブレンド。○コリェイタ/Colheita: 単一ヴィンテージブドウを長期熟成。○熟成年数表記トウニ-: 10年、20年、30年、40年超4種類平均熟成期間を表示する。
ホワイト・ポートワイン
白ブドウで造られるポートワイン。 ほど良い酸味が特徴。伝統的なホワイト・ポートと別に、最近でライト・ドライ・ホワイト・ポートも造られている。アルコール度数が16.5度と低く、比較的ドライな味わいが特徴。
マデイラワイン
大西洋に浮かぶポルトガル領マデイラ島で造られる酒精強化ワイン。D.O.C.マデイラ 発酵途中に、ブドウを原料とした96度アルコールを添加します。発酵中ブドウ果汁エタノール濃度を 上昇させて酵母を死滅させることにより、強制的に発酵が止まります。発酵を止めるタイミングによって ワイン味わい(辛口⇔甘口)を決定付ける糖度調整を行います。こ発酵、アルコール添加工程後、マデイラワイン造り以下2つ熟成方法に分かれます:
カンテイロ/Canteiro熟成
太陽熱を利用した平均30度倉庫内で、「カンテイロ」と呼れる角材上に樽を置き、 最低2年間熟成させる。天然加熱熟成法。⇒高級マデイラワインとなる。
エストゥファ/Estufa加熱処理後の熟成
<>お湯を通して温めるステンレス加熱タンクにワインを入れ、40度~50度で最低3か月間加熱処理を行います。そ後約90日間室温で自然冷却し、大樽で熟成させます。 ⇒スタンダードマデイラワインマデイラワインの分類
*原料や製法による分類エクストラ・リザーブ 熟成期間15年以上。
スペシャルリザーブ 熟成期間10年以上。
オールドリザーブ 熟成期間10年以上。
リザーブ 熟成期間5年以上。
全て複数年収穫ブドウをブレンド。